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studioあお 川村先生と考える、子どもたちのモチベーションを高める空間と体験

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乃村工藝社グループ社員がさまざまな分野で活躍する有識者と出会い、これからの“空間”や“体験”の可能性を探る対談シリーズ[nomlog MEETS→]。

今回のテーマは「子どもたちの未来のために、コンテンツと空間でできること」。乃村工藝社グループで子ども向けの体験型施設を担当するデザイナーとプランナーが、京都で子どもたちの主体的な取り組みを促す、プロジェクト型学習塾の主宰・COLEYOの川村哲也さんと対談。授業コンテンツづくりのプロフェッショナルである川村さん、空間デザインと展示コンテンツをかけ合わせて施設づくりに挑む乃村工藝社のメンバーが、子どもたちのモチベーションを高めるために必要なエレメントについて語り合います。

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川村 哲也さん(株式会社COLEYO代表)
立命館大学を卒業後、株式会社リクルートコミュニケーションズに入社。 1年間勤務した後、2016年に京都にてプロジェクト型学習塾「放課後教室studioあお」を立ち上げた。 国語や算数といった科目を教えない、教育のブルーオーシャンに飛び込む姿は、保護者や教育関係者の間で注目を集めている。

川村さん
まずは私の生い立ちから。北海道で、7人兄弟の中で育ちました。精神科医の父のもとには患者さんや看護師さんの子どもたちも集まるような環境で、大家族、たくさんの子どもたちと接しながら育ちました。

大学卒業後は株式会社リクルートコミュニケーションズに入社し、人材広告の制作部門で先端テクノロジーを取り扱うクライアントの採用に携わりました。その中で、例えば「iPhoneで調べれば誰でもすぐに知っている状態になれる」「メガネをかければ皆の視力が同じになる」といったように、テクノロジーの発達によって個人の能力に差がつかない状況になっていくという考え方を知りました。


本来の能力にテクノロジーが加わることで高い水準で一定化しますが、さらに「モチベーション」が加わることでさらなる能力アップを見込むことができる(川村さん作成の概念図)

その上で、これからの教育ではスキルや能力よりも、「何をやってみたいか?」「何が好きなのか?」といったモチベーションが本当に大事なことなのではないか、と考えました。そこで独立して教室を始めたのが2016年4月です。子どもたちといろいろなチャレンジをして、それをコンテンツに落とし込んで、自社で授業をつくったり、企業さんと一緒に新しい教材を開発しています。

会社名のCOLEYO(コレヨ)は、「是世」が元の言葉で、確か仏教用語とかで現世という意味だったはずです。生きにくさを感じることが多い「この世」の中で、「子どもたちと生きやすさを見つけていきたい」という想いを込めて、立ち上げ時のメンバーと一緒に決めました。

<対談者>

乃村工藝社プランナー
堀井 麻央
文化施設を担当することが多く、特に科学館が得意です。学生時代は生物学が専攻だったこともありまして、これまで担当した物件は、名古屋市科学館や浜松科学館など、地方自治体の学習施設が多いです。空間の中に、“体験のための装置”として何を置くか?ということを大事にしています。
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川村さん
“装置”というのは、具体的にはどういうものですか?

堀井
押したり引いたりなどのアクションや、思考を促す仕掛けのようなもので、「どうしたら反応する?」「それによって何が起こる?」「何を学べる?」という視点をもとに、ハードとソフトの両面で考えています。


乃村工藝社デザイナー
松岡 瑛美
子ども向けの施設を担当することが多くあります。例えば、パナソニックセンターの体験型施設「Panasonic GREEN IMPACT PARK *」、メニコンさんの子ども向けの展示空間「みるパーク」、SDGsを学ぶための子ども向けワークショップキットを開発したりしています。個人的に生き物も好きで、今年度からは部署異動し、水族館や動物園の仕事にも挑戦しています。学生時代、理科実験教室のアルバイトをしていたこともあり、子ども向けの体験型ワークショップも好きです。
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*2024年12月閉館予定


乃村工藝社デザイナー
谷 清鳳
企業のブランドコミュニケーション施設を手がけています。自然科学への興味が深く、プロジェクターなどを用いるデジタル表現とアナログ表現が混ざり合ったような展示空間の実績が多いです。子ども向けの施設では「AkeruE Panasonic creative museum(以下、アケルエ)」、松岡さんと一緒に「Panasonic GREEN IMPACT PARK」を担当しました。模型とCGのパース表現を行き来しながら空間のデザインを考えることが好きです。
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乃村工藝社プランナー
廣田 晃平
企業のブランドコミュニケーション施設を担当しています。大学ではメディア社会学を専攻しまして、小学生向けの工場見学施設を多く手がける中で“コミュニケーション”を大切にしています。担当する企業によって展示の内容が変わるので、日々新しいジャンルに出合えることにワクワクしています。例えば、担当した「S/PARK」では、中学生のお子さんを持つ親子がターゲットでしたが、その本質はスキンケア・メイクの背景にある「科学の世界」を伝える仕事だと分かって、とても勉強になりました。
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*ファシリテーション・文:横田 智子(ノムログ編集部)/写真:川上 友

子どもの興味 N=1からスタートする、授業コンテンツづくり

横田
川村さんが手がける大人気の授業コンテンツは、子どもたちが個人的に興味を持った内容を深掘りすることで生まれたそうですね。どんな内容か教えていただけますか?

川村さん
例えば、ある小学生ふたりが「宇宙人にみんなの声を配信したい!」という想いで始まった「THE宇宙少年ズ」地球へ無事に帰還できる「スペースバルーンづくり」に取り組みました。そうしたら皆が「楽しそう!」と言ってくれたので、面白そうな部分をかいつまんで授業コンテンツにしてみたら、どんどん人気になっていきました。子どもたちから一番欲しいと言われたものこそが、“一番当たる”コンテンツだと思っています。


「蚕から糸を取るのは大変!」→糸をつむぐロボットをつくる、「お茶って本当に抗菌なの?」→菌の種類別に特性を調べる…子どもたちの疑問や気になることがきっかけでスタートするプロジェクト

いろいろな試行錯誤のプロセスをコンテンツ化しているカタチです。まずは子どもたちが考えているポイントがあって、実際にやってみたら結果が返ってきて、そこに彼らがのめり込む瞬間が見えてくる…というループが生まれるのです。その中で、特に“しっぱい(以下、「失敗」をあえて平仮名で表現します)“が重要だと思っていて、“しっぱいする教室”を目指しています。

子どもたちの心を動かすのは、ごちゃごちゃした空間?

松岡
studioあおのウェブサイトを見ていたら、通っている子どもたちがみんな天才児に見えました(笑)その中には、何をしたらいいか分からない子たちもいるのですか?

川村さん
「ここに来たら、なんだか楽しそう」と思ってきてくれる子が多いのですが、最初はやりたいことが明確になっていない子が多いですね。ただみんな興味・関心やモチベーションの種は何かしら持っていて、それを言語として認識していないだけなのです。

それを引き出すための会話のノウハウも取り入れてはいたのですが、生徒数が増えていくに従って個別に対応していくのが難しくなってきた頃、「体験の数を増やすことで、”やりたいこと”の言語化をしやすくする」という手法に特化し、「よのなか体験教室 タッチ」という年間24種の体験を提供するコンテンツをつくりました。子どもたちにはそれをひと通り受講してもらった上で、自分だけのやりたいことを見つけてもらうプロセスをつくっています。

最初からやりたいことが分かっている人はレアです。大学生でも、就職時点でのアンケートでは「やりたいことが分からない」が上位と言われているくらいですから。子どもたちも最初は「なんだか面白そうだから手伝ってみようかな」くらいの感覚からスタートすることが多いですね。


途中で離脱する子はいますか?

川村さん
中途で退会されるお子さんはほとんどいません。みんなそれぞれ何かしらやりたいことは持っているのですが、うちの教室は「なんでもやってみる」という姿勢の子どもたちがまわりにいる雰囲気なので、立ち止まりにくい環境にはあると思います。


何か習い事を始めると、親が「きっと〇〇選手になれるよ」と言って、人生をそれにかけるようなプレッシャーがかかることもありますよね。そのハードルを下げる効果が「studioあお」の雰囲気にあるな、と思っていました。子どもたちって、誰かが何かをつくり始めて、ごちゃごちゃし始めると、やる気になる気がしていて。

堀井
「ごちゃごちゃしているとやりたくなる」現象、ありますよね! そのものに名前は付いていないですが(笑)


私が担当したアケルエでは、何かいろいろなきっかけがありそうに見えたり、いろんなものが散らばっていて一見整然としていないと感じるような状況をチームで議論しながらつくりました。「studioあお」でも、それが必然的につくられているように感じました。

川村さん
確かに「studioあお」の空間で気にしていたことは、家具などに新品を使わなかったことです。「触っちゃいけない感」「大事にしなきゃいけない感」がないように気を遣いました。谷さんはアケルエで、どんな風にごちゃごちゃ感をつくられたのですか?

施設に宿る強制力。それでもいろいろぶつけてみたら、芽生えることもある。


私たちの普段の仕事では、大概念となるコンセプトをつくって、それを実現するために空間をデザインしていくことが多いのですが、アケルエでは、子どもたちのクリエイティビティを高めるためには、明確なひと言だけでは定義が難しいねとチームで議論しまして、「こんな感じだったらいいね」という感覚を言葉に置き換えるステップを踏みました。

新しい発想で考えたアケルエ5つのデザインコンセプト
“よごしていい感”“自分でつくれそう感”“組みかえられる感”“枠にはまらない感”“みんなでセッション感”
関連記事:子どもたちの知的好奇心とひらめき力をはぐくむ空間づくり。パナソニック クリエイティブミュージアム AkeruE(アケルエ)の空間デザインを語る。

ビス(ねじ)や中のしくみなどがそのまま見えているような什器や空間で構成されていて、「なんだか自分でもできそう!」と思える空間でもあり、運用していく中でどんどん進化する空間=「完成しない空間」をつくることができました。

川村さん
日頃から「提供する側」と「提供を受ける側」の境界が曖昧になるのが理想だと思っていまして、それが今のお話の中に溢れていますね。うちの教室は基本的に子どもたちの秘密基地なので、「好きなようにしていいよ」と伝えています。壁も落書きだらけで(笑)誰かが描き始めたら、どんどん増えて模様になっています。

一方で、“子どもが施設の主役になる”というのは、なかなか難しいのかなと感じます。施設の空間には何かしら目的があって、そこに誘導するための強制的なチカラが働いていると言いますか…現状は僕たちが手がけているようなコンテンツが入り込める余地があまりないな、と感じることが多くあります。だからこそ、そこに入り込むためのチャレンジをしていきたいと思っています。

堀井
私も文化施設を手がける中で「子どもを真ん中に据えて、自由度のある曖昧な空間をつくりましょう!」とよく提案するのですが、なかなか理解が得られなくて…。


「子どもたちが施設に入って自由に巡ってみたら、何かが変化して出てくる!」みたいなのが理想ですよね!

川村さん
「ガリバートンネル」みたいな!笑

廣田
「施設がもつ強制力」について、とても共感します。企業プロモーション施設を担当している中で、例えば来館者の7~8割が興味のない子だとしても、施設側は「何かを強制的にぶつけてみれば、何かが芽生えるのではないか?」と、どこかで期待しているところがあると思います。だからサイエンス、食育、アート…といったさまざまな視点でぶつけてみて、自分たちに対して興味を持ってほしい、という想いがスタート地点なのですよね。

実際にどうなのか、自分が担当した施設で子どもたちの反応を観察したことがあります。例えば「あ、これ理科の実験でやった!」など、身近に感じてもらえたようなコメントを聞けることもあって、「よくそういう視点で見てくれたね!」と、とても嬉しくなります。何かをぶつけた先に、本当に子どもたちの中で何かが芽生える時があるのだな、と感じた瞬間でした。

ただ一方で、施設の魅力は見た目や機能面だけではなくて、その場でどんな人が説明しているのか、そこでどんなイベントが行われているのか、といった運営的な側面や臨場感がかけ合わさってつくられるものです。できるだけ可変性のある空間の方が自由になるのに…といつも思います。

堀井
公共施設は公益性が求められるので、「すべては子どもの学びのために、あるいは科学を社会に広めるために…」という視点になりますが、企業プロモーションの施設は利益につながることが目的のひとつにもなるので、企業から子どもたちに伝えたいことが前提にあることが多くなりますね。


でもそれを逆手にとって、子どもが「それ(企業の思惑)に乗っかってもいいな」と思ってくれる空気感をつくれると、ブランドへのイメージも上がりますし、理想的な構図ですね。

興味が芽生えた、その後をどうフォローアップできるのか?

川村さん
皆さんのお話を聞いて、子どもたちに興味・関心のきっかけとしてインパクトを与えたり、心が動いたり、何かのスタートにつながるような側面を、施設は持ち得ていると感じました。例えば「とてつもなく大きい」「思いもよらない動きがある」といった、家庭では再現できないような体験が用意されていると、施設ならではの価値が高まると思います。もうひとつは子どもたちが施設の中で何かに興味を持った後に、それをさらに広げるような重要なファクターが存在しているのかなと思いましたが、いかがですか?

堀井
対象を不特定多数に広げて、興味のきっかけをつくる、というのは乃村工藝社としていろいろなノウハウは持っています。私たちは施設の企画から運営まで一気通貫した事業を手掛けているものの、施工後の運営まで携わらない場合もありまして、そうするとでき上がった空間を実際に訪れた子どもたちがどう変化したのか、効果を測定・評価する手段がなくなってしまい、次につなげていくためのノウハウが持てないのが課題です。


効果測定は絶対にやった方が良いですよね。アケルエでもロフトワークさんが定期的に施設の評価レポートを送ってくださって、とても為になっています。他の施設でも、来場者アンケートでもいいので、何かしらやっていきたいですね。

廣田
メニコンの「みるパーク」では、イベント実施時に来場者にアンケートを書いてもらったり、インタビューしたりしています。そうすると、子どもたちよりも意外とお父さん・お母さんの声が参考になったりします。親御さんからすると、「子どものためになる内容なのに、(親である)自分たちに足りない知識がこんなにもあるんだ!と気づけました」といったお話があったり。ここにうちのノウハウが加われば、一番良い効果が上がっていくのになって思います。


より良い空間・体験づくりのために、例えば施設の空間・体験の保守メンテナンスのような引き渡し後の関わりがもっと多様になっていくといいなと思います。空間ができた後もその空間を一緒にアップデートしたり、効果測定を通して課題感を探したりというような関わり方がもっと増えるといいなと思います。

川村さん
うちの教室は壁のないひとつながりのフロアなので、みんなの声が全部聞こえます。「誰々がこういう反応をしていたから、きっとこうだよね」といった共通認識を持ちやすくて、それが自然にできているって重要なことなのですね。

松岡
文化施設では、弊社が引き渡し後に運営する施設も増えて来ていますよね。実は全国に17施設もあるそうです。(対談当時)

堀井
多摩六都科学館はその代表的な例ですね。本社スタッフと連携しながら継続的に魅力的なコンテンツを打ち出し続けている人気の施設です。
関連記事:企画展のつくり方 多摩六都科学館 生き物への深いまなざし『ロクト昆虫図鑑』

子どもたちのために、施設ができること。ポイントは“しっぱい”

松岡
「studioあお」では、子どもが主人公になるのでマンツーマンのコミュニケーションが深くて、子どもたちのモチベーションを上げるために理想的な環境だと思います。展示というと不特定多数のマスが対象になるので、深いコミュニケーションがベストだと分かっていながら、なかなか施設では実現できないところが難しいですね。

川村さん
重要なことは、施設の中にどうやって“しっぱい“を組み込むか?だと思っていて、体験の装置やプログラムに「うまくいかない」要素を入れられるといいな、と。「何かにチャレンジしたい!」と思ったときに、ヒト・モノ・カネの情報、あとは場所と時間が用意されてさえいれば、子どもたちは何度でもトライを繰り返します。世の中では“しっぱいしないように”という風潮が強い中で、【安心して“しっぱい”する→もうちょっとのめり込める→さらに上を目指せる】という流れができるといいなと思っています。

堀井
海外のある施設で「紙をどれだけ高く飛ばせるか?」というチャレンジコーナーがあったのですが、床が紙だらけなんですよね。そういうごちゃごちゃ感、“しっぱい”しても良い、という環境がいいですよね。

廣田
“しっぱい”を繰り返すと嫌になる子もいると思うのですが、それでも「もう一回!」となれる、心を揺り動かすものって何なのでしょう?

川村さん
「“しっぱい”と成功」と言うと二分された感じに聞こえますが、実はその2つのラインはいくらでも設定のしようがあります。例えば「50センチに届かなかったら全員カスです!」と言われるより、「自分で決めた目標に10センチ届かなかった!」という失敗であれば、面白いんですよ。なので“しっぱい”をどう設計するか、というところに、メカニズムがあると思っています。それこそが、やる気を損なわない“しっぱい”です。

“しっぱい”って結構、面白いです。そしてチャレンジは、期限と目標が決まっていることが重要です。


「studioあお」では、“しっぱい”した後でも周りの仲間も見てくれて、会話ができて…と、ひとりでチャレンジしていても、ひとりぼっちではないと言いますか…。諦めないチャレンジのためには人のチカラが不可欠で、そういったケアをデジタルコンテンツのような自動化されたシステムにはどう取り入れられるのか、というところが悩ましいです。

廣田
誰かが決めたゴールではなくて、自分が決めたゴールって面白いですね。施設側がゴールを定義しない空間・体験をつくることができたら、少し近づけるような気がしました。

川村さん
疑似的なカタチでも“しっぱい”があることが、まずは大事だと思います。“本当のしっぱい”は、“自分の問い”と“しっぱい”があるかどうかが大事なのですが、それはそこそこ高度な状況です。施設側が、“自分の問い”と“しっぱい”に付き合うのは難しい印象がありますね。


例えば“しっぱい”しやすいことを予めつくっておいて、共通化させるとか?

堀井
そういうの、勘のいい子どもたちにはバレますよね(笑)


そもそも達成不可能な課題からスタートするとか?限りなく正解に近いもの、でも完全な正解はないものを授業のフォーマットにしてしまうとか、どうでしょう?100点が存在しないので、子どもにとっては身に迫るものがあるのかも。

松岡
小さいお子さんにとっては、正解が明確な方が伝わりやすいこともありますね。「Panasonic GREEN IMPACT PARK」の電気の消し忘れをクリアするとポイントが加算されるゲームは人気です。

川村さん
あとは子どもたちへのフィードバックの仕方、話し方も重要です。うちの教室では「ダメ」「間違っている」「違う」「おかしい」などのネガティブなフィードバックはしないように意識していまして「惜しいな~もうちょっとできたら、もっといけるな!」「めっちゃいいね、120点いっちゃおう!」といった言い方をしていますね。


重要ですね!!会社でもそうしたい!僕も「120点いこうか!」って言われたら頑張れる!笑

横田
皆さま、貴重なお話をありがとうございました。

対談を終えて、ノムラのメンバーが思うこと

松岡
子どもたち一人ひとりに寄りそう川村さんの取り組みは、まさに今の時代に必要な教育だと思います。意義深いお話がぎゅっと詰まった貴重な時間でした。特に「しっぱい」を設計することは展示空間を作る上でも重要な要素だと思うので、ぜひ取り入れてみたいです。

【後日談】対談した1週間後の週末にstudioあおにお伺いし、見学させていただいたのですが、子どもたちが自分のやりたいことを模索し、生き生きとプレゼンしている様子に感動!これからの日本が楽しみだ!と思えるような素敵な教室でした。

堀井
探究学習の看板を掲げる教育ビジネスが増える中、「studio あお」は、子どもたちと一緒に作り上げ、子どもたちのモチベーションからあらゆる事が始まっているところにオリジナリティを感じました。子どもたちとの直接の対話を重ねているからこそ、彼らを信じて、彼らの発想を大事にしてあげられるのだと思います。その関係性が、とても素敵です!


「よのなか体験教室 タッチ」で、初めはやりたいことやテーマが見つからないお子さんも年間を通してたくさんの体験に触れると、体験したこととは関係ないことからも「やりたい!」を見つけ出し始める、というお話がとても印象的でした。こういういろいろな体験や経験を自分の中に通すことって子どもだけではなくて人間全体に当てはまるポイントだな、と対談の後も考えています。とても振り返ることが多い貴重な機会になりました。また京都に行くときに立ち寄らせてください!

廣田
お話しをお聞きしていて「子どもの自主的な好奇心」が「studioあお」にはたくさん存在しているんだなと感じました。それを芽生えさせることがどれだけ難しいか痛感する日々なのでお話しはとても勉強になりました。それが地域や子ども達の中で広がっていく仕組みは習い事ならではのものなのか「地域コミュニティ」によるものなのか、などもお聞きできると「場づくり」に活用できそうだと感じました。

対談終了後、「皆さんオススメの施設はどこですか?」川村さんからの質問に「あそこ良かったよね!」「ここは知ってる?」と話が止まらないメンバーでした。

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“空間と体験”を追求するチーム
プロの目線で“空間と体験”の可能性を切り取ります

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