ヒデキのゆるゆる渚歩記/ep8 -「違和感を探せ!」クイズ編2-

サトウ ヒデキ
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サトウ ヒデキ

オジサン、癒される。

こんにちは! 海も山も自然とアウトドアLOVE♥のヒデキです

このGWは、愛車の四駆に寝泊まりしながら大好きな西伊豆の海岸で4泊5日の旅をまったり過ごしてきました。
駿河湾に沈む夕陽を見ながら夜の帳(とばり)が下りるまで海風に身を任せる黄昏時、星空を見上げながら浸かる深夜の秘湯に、心身ともに少々疲れ気味のオジサンは癒されましたw。

※駿河湾を望む西伊豆のトワイライトタイム。素敵な時間

さて、近況報告はこれくらいにして、(そのウチ、こちらでちゃんと記事してみたいですが)
前回の「コレなに?クイズ」が大変好評につき、今回の渚歩記も前回に続いて“クイズ編2”としてお届けしたいと思います!

今回のクイズは前回と趣向を変えて、渚で漂着物を探すと同時に “違和感を探すクイズ“ を考えてみました。
それでは、『第2弾・渚クイズ』に是非チャレンジしてみてください!

 

違和感を探せクイズ・スタート!

第1問

例によって、地元である茅ヶ崎の海岸をちょっと歩いてみると、いろいろな貝殻を見つけることができました。
さて、ここで最初のクイズです!! 写真のA~Hの巻貝のなかで、仲間外れ…. いや、あまり良い言葉じゃないですね。もとい、この中で一つだけ異なるモノはどれでしょう? その理由も考えながら、良く見て “違和感” を探してみてください!

※ヒントは、みなさんも見たことがあるであろう、良く知っているモノですよ、わかりましたか?

では、答えを発表しましょう!

さて、正解は…?



E でした!
他は、全て海の中に棲む巻貝の殻ですが、Eだけはが、陸上で暮らす貝の殻(カタツムリ)です
もう一つの見方としては、これだけ左巻きになっています。これに気づいたアナタ、観察眼がスルドイ!

巻貝のほとんどは右巻きです。 なぜ、ほとんどの巻貝が右巻きになるのか?生態学的な理由はまだよくわかっていないようです。 巻貝には、もともと右巻きになる遺伝子があり、何らかの理由でその遺伝子が働かない場合は左巻きになる個体があるそうです。

一般的にカタツムリの場合も右巻きが多いのですが、Eはヒダリマキマイマイという種だと思われます。
右巻きの多い種のカタツムリにも、左巻きになる個体がいます。

世界にいる約800種のカタツムリを調べたところ、カタツムリを食べるヘビがいる地域では左巻きの割合が多く、いない地域では右巻きが多いという調査結果が出たそうです。 右巻きと左巻きでは交尾ができず子孫を残しにくいにもかかわらず、数が少ない左巻きが生き残ってきた理由が、外敵であるヘビに食べられないためだという研究結果 につながりました。カタツムリを食べる種のヘビは、あごの構造などから、右巻きを好んで食べるので生き残れるというワケです。

ちなみに日本には、イワサキセダカヘビというカタツムリを専門に食べる種のヘビが南西諸島だけに生息しています。
左巻きのカタツムリを海岸で偶然に見つけたことから、興味を持って調べてみた蘊蓄(うんちく)話でした。

第2問

貝殻の種類を増やして、2問目のクイズを出題しましょう!

写真の①~⑮の中で、第1問と同様に一つだけ異なるモノはどれでしょう?
今度は、巻貝の殻以外も増えました! これだけの種類の貝殻も1時間程度の浜歩きで見つけました。

※ちなみ、貝殻の個数は関係ありません!

どうですか、わかりますか? チョット難しかったでしょうか?

正解を発表してもいいですか?

2問目の正解は…?



 でした!
全て貝殻に見えますが、③だけは貝(軟体類)の仲間ではなく、エビカニと同類(甲殻類)であるフジツボの一種の殻でした

茅ヶ崎の浜で漁師さんが獲れたての “海の幸” を販売していることがあります。そこでは、他の海産物と一緒に食材としてカメノテやフジツボが並んでいることがあり、「貝の仲間です」というキャプション(説明文)がついています。「それ、貝の仲間ではなく甲殻類ですよ!」と見るたびに教えてあげたくなりますが、「お店の人(海のプロ)のプライドを傷つけてしまうかも」と考えてしまい、言えないままです(笑)ちなみに、ワタシは食べたことがあります。味噌汁や塩茹でなどで頂きますが、味のほうもエビカニに似た味わいがします。
ご興味のある方はこちらのサイトをご参照ください。

【食べるフジツボ】https://www.taberu-fujitsubo.com/food  八戸学院地域連携研究センター

⑪の桜の花びらのようなピンク色をした貝殻をよく見てください。 これはサクラガイの貝殻ですが、小さな孔が開いているのがわかりますか? この孔は、④のツメタガイが開けた孔なんです。 ツメタガイは、サクラガイだけでなくアサリや殻の厚いハマグリなどにも、足の一部から酸性の液を分泌し、炭酸カルシウムで出来た貝殻を柔らかくしたのち、ヤスリのような歯が並んだ特殊な舌で孔を開け、貝の中身を食べてしまう “二枚貝イーター”なのです。

※二枚貝にこんな孔が開いていたら、それはツメタガイの仕業だと思って観察してみてください

ワタシは小学生の頃、近所の魚屋さんで初めてツメタガイを見ました。バットに入ったアサリの中に変わった巻貝がいるのを見つけたところ、お店のお兄さんが「持って帰っていいよ!」と言ってくれたので、暫くウチで飼っていました。その後、そのツメタガイがどうなったか記憶が定かではありません。ちなみに、食べた覚えはないですw(食べられるそうです)

第3問

それでは、漂着物を使ったクイズの第3問です!

写真の①~⑫の中で、一つだけ異なるモノはどれでしょう?
今度は、見てもおわかりのように、貝殻以外のモノも見受けられますね

※④は「焼のり」です、袋は無視して、中身だけがクイズの対象です

さあ、いかがでしょう? “違和感” を見つけられましたか?

「わからない!」という人のために、大ヒントを出しちゃいましょう!
ただし、ヒントを見てわかった人は、正解◎ではなく△ですので、もう少し良く上の写真を観察してください。

では、こちらが大ヒントです!

※先ほどの写真と違っているところがヒントです!

もう、おわかりですね?

3問目の正解は…?



⑤ でした!
⑤は樹脂製の小銭入れ(ネコの顔??)のようで、これだけ“海洋生物”ではありません
陸上動物(哺乳類)であることも、海由来の素材ではないことも含めて⑤が答えです!

⑤の裏側の写真が“カニの甲羅”に見えませんでしたか?
浜歩きをしているとき、ワタシがそう見間違えたことからこのクイズを思い付いたんです。

※並べてみると似ていますよね! 楕円のカタチや両サイドのギザギザが特にカニッぽい!

もし、⑤が本物のカニの甲羅だったら、⑪のモミジガイ(ヒトデ)が正解になります。
理由は、軟体動物(貝・イカ)、節足動物(カニ)、海藻(海苔・カジメ)は仲間がいるのに、「棘皮動物であるヒトデはこの中で1つだけ」というのが理由です。

第4問

では、これが最終クイズです!!

写真のa~nの中で、一つだけ異なるモノはどれでしょう?
ホントは浜辺にあって欲しくない人工物であるゴミが多いですね。

※夕方になってきたので、砂浜に落ちる影が長くなってきました(クイズとは関係ないですw)

4問目となる 『違和感を探るクイズ』ですが、クイズを解くカギは、まず、共通点を見つけること です。
逆の発想から答えを導き出しましょう!
ワタシは、これらのクイズを考えたとき、とにかく“共通点”をキーワードに漂着物を探し出し、そして集めています。さあ、これがヒントです!  アナタは共通点を見つけられましたか?

では、答えを発表します!
最終問題の正解は…?



c が正解でした!

この問題の“共通点”は、「カ」の文字で始まる呼び名になるモノを集めたことです。
よって、cだけは「カ」で始まる呼び名ではないことが解答になります。

いかがでしたか?
2回にわたって『渚クイズ』をお届けいたしましたが、頭の体操になったでしょうか?

ワタシも、モノから発想してオリジナルのクイズを考えることや見つけたモノに興味を持ったり、調べたりすることが、“プランニング脳”を鍛えるトレーニングやネタの抽斗(ひきだし)を増やすこと に繋がっています。

「1問目はスタンダードな問題からにしよう!」とか、「普通の考え方の問題だけじゃつまらないから、トリッキーな引っ掛け問題も入れてやろう!」など、出題の工夫やストーリー展開も計算しながら全体を構成することは、ワタシたち空間演出プランナーが普段やっていることとあまり違いはありません。 ワタシがいつも大事にしているポイントは「良い意味で期待を裏切る」こと。 予定調和にならない“想定外”な部分があったほうが、面白いと感じませんか?

もし、今回のクイズを楽しんで「面白い!」と感じて頂けたのでしたら、プランナー冥利に尽きます。
前回の渚クイズにも是非チャレンジしてみてください!

おしまい

(文章&写真 サトウヒデキ)

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『ヒデキのゆるゆる渚歩記』 back number はこちら!

ep8 「違和感を探せ!」クイズ編2 ep7「コレなに?」クイズ編 ep6「コロナ禍の浜辺」
ep5「漂着ゴミ図鑑」 ep4「いきもの図鑑」 ep3「自然感察眼」 ep2「ボトルメッセージ
ep1「海岸ミュージアム」

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テクニカルディレクター(いろいろ擬態中)
G坂本並みの守備範囲と打撃力

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